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第2回目のインタビューは、東京・八王子に3店舗のサロンを構える「Tom & Susie Factory」C.E.O.の内田 昇氏。 山梨・甲斐駒ケ岳を背にして、

目前に八ヶ岳の雄大な景色を望む丘陵地にあるご自宅で、自分流のグリーンなライフスタイルと、サロンにおける広い意味でのグリーンな活動について語ってもらった。

 

休日には精神的なグリーンライフを。

——都内八王子で3店舗のサロンを経営される傍ら美容業界の様々な活動にも精力的に参加され、多忙な毎日を過ごされている内田さんですが、普段はどのようなグリーンライフを過ごしていらっしゃるのですか?

オンタイムは、とにかく死ぬほど働いていますよ(笑)。でも、休日には、仕事のことはきっぱり忘れてこちら(山梨)で思いきり遊ぶ、というような生活を最近送っています。僕は、一生もそんな一週間のように送りたいと考えているんです。20代から50代までは休む間もなく仕事をしてきましたから、60 歳になったら自分の人生の「週末」に入りたい。その週末を過ごすところが山梨の家。ただ、よく言われている田舎暮らしとか無農薬野菜を育てるエコライフというのとは、ちょっと違います。もちろん野菜は自給自足するつもりで、やはり無農薬栽培になるのかもしれないけれど、そうではなく、僕は「精神的なグリーンライフ」を目指したいと思っています。

——それは、具体的に言うとどのようなことですか?

たとえば、今飼っている「ケンジ(愛犬の名前)」も元は捨て犬だったのですが、そんな捨て犬や老犬、障害を持っている犬など、人がもらってくれないような犬を引き取って育てるというようなことを、山梨の家で実現できたらと考えています。人間の都合で毎年およそ30数万頭もの犬や猫が処分されています。そんな動物を1頭でも多く助けられたら…。終末期を迎えた老犬にここで穏やかに過ごしてもらったり、捨て犬にきちんとしつけをして新しい里親を見つけたり。動物と人が共生できるような生活、そしてそんな精神的な豊かさが軸となる生活、それが僕の求めるグリーンライフであり、ライフプランなのです。

サロン発信で、
心の豊かさが循環する社会に。

——グリーンな活動とは、まず“心”から始まっていかないといけないわけですね。ただ、みんなそうは思っていても、日常生活を送っているとグリーンに反する行動もいっぱい出てきます。

そうなんです。経済活動とグリーンは反比例する、これは動かしようのない事実です。経済活動には当然、効率性が求められます。そして効率を求めれば求めるほど環境に負荷がかかります。経済効率を求めながら、いかに環境との調和を図っていくのか、これは人類が抱える永遠の課題でしょう。サロンワークも同じです。特に今は厳しい時代だし、サロンも売り上げを上げなくちゃいけない。今さら非効率にすると仕事が成り立たなくなってしまう面もあります。効率と非効率をどのようにうまくコントロールするかですね。もちろん、できる限りの節約はすべきです。ただ、その節約がただ単に店のコスト削減のためだけではなく、自分たちがグリーンな活動に参加しているのだ、という意識を持って行動してもらいたいと思います。

——節約以外で、サロンワークの中でできるグリーンな活動はありますか?

僕が考えるに、実は、サロンは昔から無意識のうちにグリーンな活動を行っているんですよ。お客さまはよく、サロンに来て安らいだ、癒されたと言うでしょう?それはサロンの空間やスタッフのサービスによって、日常のストレスが軽減されたからです。これは環境で言えば、CO2を削減して酸素をつくっているようなもの。サロンビジネスは、お客さまの心に酸素を供給する「癒しのビジネス」なのだと思います。節約するのは基本的なこと。誰にでもできる当たり前のこと。グリーン=節約ではなくて、他にも方法はある。お客さまと接する中で心の豊かさを伝えていく、これだって立派なグリーン活動ですよね。
——なるほど。そういう活動を続けることによって、心の豊かさが循環していく社会になっていくわけですね。

そう、広い意味でのグリーン活動なのです。ヘアカラーやパーマで使用する薬剤で“100%環境にいいもの”なんてないと思います。でも、だからといってお客さまにカラーをすすめるのをやめますか?そんなふうに排除していったら、それこそお客さまにとってヘアカラーをすることで得られる心の豊かさも無くなってしまうし、美容師という自分たち自身の存在すら否定することになる。そうではなく、「こっちでCO2を吐き出しているけれど、こっちで酸素を生産している」というように、マイナスとプラスを合わせたらゼロになるように、自分の一生を通してきちんとバランスをとる、つまり人生を通じてオフセットすればいい、僕はそんなふうに考えています。今、僕はオンタイムでは、仕事の効率ばかりを考えた経済生活を送っていますが、オフタイムになると経済活動や効率化はどうでもよくなって、酸素をつくるために木を植えたり、除草剤を使わずに雑草と闘ったり、およそ非効率なことばかりをやっていますよ(笑)。非効率は手間がかかるけど、手間をかけることが贅沢な時代、不便さが贅沢な今の時代に、そんなグリーンライフを楽しんでいきたいと思っています。

内田 昇 氏
Noboru Uchida
Tom&SusieFactoryC.E.O.。NPO法人日本ヘアカラー協会 2010委員長。ICD世界美容家協会常任理事。JPA日本パーマ協会設立理事。

内田さんが日常の中でグリーンを感じる瞬間
○気持ちのいい場所・気持ちのいい時間
木々に囲まれた山梨の家のウッドデッキで、鳥のさえずりを聴きながら朝食を食べる時間。

○最近気になっているエコアイテム
アイテムではありませんが、山梨の家の庭で「クローバー農法」を試みています。クローバーを植えると雑草が生えにくくなり、土壌も改良できるという利点があります。

内田家の「ケンジ」Life Plan
小さな命を救いたい。
全国には動物保護活動を行っているボランティア団体が数多くありますが、
その中から下記の団体をご紹介します。

○『NPO法人 しっぽのなかま』
日本全国にボランティアの方がいて、保健所などから保護した犬猫を育て、サイトに掲載して里親を探すという地道な活動をしています。内田家の「ケンジ」もここの施設出身です。

http://shippononakama.kuronowish.com

○『里親ネット』
全国で保護活動をされているボランティアの方が、里親を探すために共同で運営しているサイトです。

http://www.satooya.net

(グラスルーツ 編集部)

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