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暮らしの中に未来の種をまく
[知るという種をまく]ー気づく、考えることで未来を変える

種を守り、種から学ぶ。“本物”を継いで次世代へ

一般社団法人SEEDS OF LIFE  代表   ジョン・ムーアさん

「私たちは、車や服を買う時いろいろ調べるのに、食べものについてはあまり調べない。なぜ? いつも食べている野菜は本当に安全? 形や色がきれいなものが美味しいの?農薬のことは気にしていても、種について考えたことはある?」

と問いかけるのは、在来種の種子を守る活動を続けている『SEEDS OF LIFE』代表のジョン・ムーア氏。現在の種を取り巻く状況についてジョンさんに尋ねた。

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記憶し賢くなる在来種の種

SEEDS OF LIFE(シーズオブライフ)」を立ち上げたのは2012年だそうですが、この活動を始めたきっかけは?

何百年も前から続いてきた野菜の在来種が途絶えつつあること、 農薬や化学肥料の使用によって土そのもののエネルギーが失われつつあることに危機感を感じたからです。 もはや「持続可能であること」だけでは十分でない。 今すぐに、この地球を蘇らせなければなりません。

もともと農家では、各地でその土地の在来種を育て、自家採種した種をみんなで分け合い、種を継いできたものでした。それが戦後、アメリカから「F1(エフワン)」という技術がもたらされ いつしか世界中で「F1種」が「在来種」に取って代わるようになりました。

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今、農家で使われている種子や ホームセンターなどで販売されている種子はほとんどが「F1種」です。在来種とはどう違うのですか?

大きさや形の揃った作物を大量に栽培できるよう交配させて作った種子が「F1種」で、 これは一代限りの品種です。 種を採っても親と同じものは作れないので、農家は毎年新しい種を買わなければなりません。

一方、「在来種」はその土地その土地に受け継がれてきた種で、土地の気候や土壌などの情報をすべて記憶してどんどん賢くなりながら、次世代の種へと引き継いでいきます。 そして賢く強くなった種は栄養をたっぷり蓄えながら、自ら大きく成長していきます。

 

ここにあるのは800年位前から続く大豆です。 この大豆には情報がたくさん詰まっているので、土に植えてそのまま放っておいても元気に育ちます。根に付く微生物が肥沃な土を作ってくれるので肥料もいりません。農薬も不要です。 在来種の種ならば、自然農法で無理なく育ってくれるのです。

植物は人間よりもはるかに賢い生き物で、自分の仕事がちゃんと分かっています。人間の知恵や技術を植物に押し付けるなんておこがましい。もっと自然に委ねるべきです。

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オーガニック豆辞典
在来種(固定種)とF1種

%e7%a8%ae自家採種を繰り返しながら病気への強さ、冷害や高温への耐性などにおいて好ましい特性を固定し、どんどん進化していく「在来種」に対し、「F1(エフワン)種」とはfirst filial generationの略で、品種改良を目的に交配された雑種世代の一代目という意味。両親を超える優秀な性質を持つが、 次の世代の種を作ることができない品種。 また、「遺伝子組み換え」は品種改良とは異なり、複数の生物の遺伝子を合体させてまったく新しい作物を作る技術。

 

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ジョン・ムーア氏 John Moore

社会企業家。 在来種、 オーガニックスペシャリスト。 英国シェフィールド大学教育学部卒業後、 教師を経て、 電通に入社。 コピーライターとして活躍する。 その後、 パタゴニア日本支社長に就任し、 現在はSEEDS OF LIFE代表を務める。

一般社団法人 SEEDS OF LIFE
 http://www.seedsol.org
(グラスルーツ 編集部)

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