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植物のある暮らし

都会で植物と暮らす、それはとても豊かなこと。そして自然なこと。もっと身近に、もっと気軽に、もっと自由に楽しめたら…。
grassrootsでは、植物がいつも日常に寄り添うような彩りのある暮らしを提案します。

アーバン・ガーデナー  齊藤太一  Saito Taichi

プランツショップの新しいカタチ

多種多様な姿の植物が集う温室。インスピレーションを感じたら、それが植物との運命の出逢い?!

多種多様な姿の植物が集う温室。インスピレーションを感じたら、それが植物との運命の出逢い?!

小高い丘の斜面に沿って続く1500坪の敷地は、あでやかな花々とあふれんばかりの緑が薫りたつようなボタニカルガーデン。見たこともないようなオーストラリア原産の植物をはじめ日本全国から集められた存在感のある植物たちが、互いに自己主張するかのように、強い生命力を放ちながら、ファームを埋め尽くしている。
神奈川県川崎市に先日オープンしたSOLSO FARM。もともとナーサリー(育種・育苗家の意味)として運営されていたが、5月18日より毎週末限定でプランツショップとして公開されることに。もちろんここで植物やガーデニングアイテムを購入したり、定期的に開催されるワークショップに参加することもできる。
岩手県で自然に囲まれて育った齊藤さんが、植物と関わる仕事に就いたのは自然な流れだった。高校時代から園芸店でアルバイト、上京後は青山のフラワーショップで勤務。もともと切り花よりは鉢植えが好きだった齊藤さんは、気に入った鉢を求めて世界中を飛び回ったり、青山を拠点に企業やショップのグリーンコーディネートを手がける忙しい毎日だったという。

ハンギングプランツは、ファームで売っているジュート製のラックに入れて

ハンギングプランツは、ファームで売っているジュート製のラックに入れて

「でも、ある時ふと気づいたんです。このままでいいのか、と。自分は花屋であって、異業種の人に新しい価値観を提案しなければならないのに、お客と同じ都心で、同じテンションで生活していてそれでよいのか、と。仕事からプライベートまでナチュラルな場所に身を置きたいと思い、この土地に移ってきました」。周りには畑や花農家も多いこの地域、ファームの丘で心地よい風に吹かれていると、ここが都心から車でわずか30分足らずだということを思わず忘れてしまう。
齊藤さんが独立してファームを作ったのは2011年のこと。植物の卸業や造園、植木リースを営む傍ら、昨年9月には、都心に暮らす人々のための“アーバン・ガーデニング”をコンセプトとしたプランツショップ、BIOTOP NURSERIESを白金台にオープン。「昔から建築やインテリア、ファッションにも植物と同じぐらい興味があったので、さまざまなジャンルから植物にアプローチしてみるのも面白いなと思って」と齊藤さん。植物だけでなく、プランターやガーデニングアイテムにもこだわり、ウエアや雑貨、書籍、ボタニカルアートまで、植物のあるライフスタイルそのものを提案するショップとして、各界から注目を浴びている。そして今回のSOLSO FARMのオープン。齊藤さんはもはや園芸文化という枠を超えた新しいジャンルの文化を創りだそうとしているのかもしれない。

ファームから発信する
ボタニカルライフ

陽光をたっぷり浴びて自生しているかのように風に揺られている植物たちに囲まれて

陽光をたっぷり浴びて自生しているかのように風に揺られている植物たちに囲まれて

SOLSO FARMで扱っているのはオーストラリア原産や日本の植物、ハーブ、多肉植物、サボテンなど多種多様。南米や東南アジアなどで買い付けてきては自宅の庭で実験した結果、やはり日本の気候に合っている植物をセレクトしている。
「オーストラリアの植物はぐんぐん育ちますね。よく、もっと珍しい植物はないんですか?と聞かれるんですけど、“珍しさ”という切り口でセレクトしていないし、そういう売り方はしたくない。植物の個としては魅力的かもしれないけど、海外から買い付けて1週間で枯れちゃうような植物は売れません。SOLSOが提案しているのは、都会の忙しい人たちにも植物を楽しんでもらうことですから。植物って当たり前だけど変化するんです。その変化がまた楽しい。朝起きてベランダに出たら、おっ花が咲いてる!ってテンション上がりますよね。僕自身が植物と接する日々の中で味わっている感覚や悦びをみんなに味わってもらいたい、そんなふうに思っています」。

こちらはビールの缶などをプランターに。プランターにこだわるSOLSOではオリジナルも多い。 中にはスタッフ手づくりのものも

こちらはビールの缶などをプランターに。プランターにこだわるSOLSOではオリジナルも多い。
中にはスタッフ手づくりのものも

植物をあまり育てたことのない初級者の中には最初から構えてしまう人も多い。そんな人たちに向けたアドバイスは?
「まずはファッション感覚で好きな植物を買ってみて。缶に入っているサボテンなどインテリアとしてもおしゃれなものとか。そのあとたぶん一度は枯らしてしまうでしょう。そのときに、なぜ枯れたの?と原因を考えてみること。水が足りなかったのか、あげすぎたのか…。ネットで調べたり、店員さんに聞いたり。大事なのは枯れることに対してネガティブにならないこと。植物はいつか枯れるものだから。そうやって5〜6回繰り返していくうちに、いつかきっときれいな花を咲かせるでしょう。庭の場合は何年もかけてじっくり育てていかなくちゃいけないけど、ベランダやインドアの場合はそれで十分。忙しい生活の中で、ちょっとお金を払って豊かなライフスタイルを楽しむ。たとえ小さなベランダでも、鉢植えひとつでも、植物がそばにある生活はそれだけで豊かなもの。おしゃれなエプロンや長靴などカタチから入っていくのも大いにありだと思います。アートやファッションを楽しむのと同じような感覚で植物を楽しむ。それが都会らしい関わり方なんじゃないかな」。

Information

〈オフィス&農園〉

SOLSO FARM ソルソ ファーム

pic_shop_solso神奈川県川崎市宮前区野川3414
Tel.044-740-3770
10:00~17:00 土日のみ営業
(雨天時、休みの場合あり)

http://solso.jp/

〈SHOP〉

BIOTOP NURSERIES ビオトープ ナーセリーズ

pic_shop_biotop東京都港区白金台4-6-44
アダム エ ロペ ビオトープ 1F
Tel.03-3444-2894
11:00~20:00 不定休

http://www.biotop.jp/

(グラスルーツ 編集部)

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