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発展を続ける大都会バンコク。

他民族が交差し寺院が点在する北タイ。ラグジュアリーなリゾート島。

この国には、五感を超え、第六感までをも研ぎ澄ます力がある。

ダイレクトな自然と大都会の狭間で、人々は今日もたくましく生きている。

世界各地からやって来る旅人を温かく受け入れ、発展進化を遂げ続けている「微笑みの国」タイ。首都バンコクは、ハブ空港であるスワンナプール国際空港の開港もあり、洗練された未来都市へと急疾走している。しかし、変化しつつも、変わらない“なにか”がある。その“なにか”が、多くの人の心を惹きつけ、魅了してやまない。

車やバイクがひしめく交通状況、次々と建つモダンな高級ビル、ハイソな雰囲気のショップが立ち並ぶ街並は、今のバンコクを語る上で欠かせない。とはいえ、空港を降り立ち、空気に身体が包み込まれた途端、身体の細胞が解放されていくのを感じる。それは、単に気候のせいだけだろうか。

アジアの中でも、タイは仏教への信仰があつい。国民の95%以上が仏教徒といわれる。「テーラワーダ(上座部)」仏教は、インドからスリランカ、ミャンマーを経てタイへ伝来した。さらに、仏教とは別に、タイの土地、タイの人々に根づいているのが、精霊信仰(アニミズム)だ。草花、木、家など、すべてに精霊「ピー」が宿っているというもの。ハワイの「マナ」にも通じるこの精神は、自分や周りの人々を含むすべてのものの、存在する意味やその価値を認め、愛し慈しむ心を育む。ピーと共に生きている。そう意識するだけで、日常の風景の彩りが変わってくる。

ここは、国全体がエネルギーに溢れている。その一つの象徴でもある屋台は、文字通り人々の日々の活力。タイ料理には、「プリック」(トウガラシ)が必須。この辛さは、気候に大きく関係している。辛い料理を食すると発汗が促され、気化熱により身体が冷える。さらに、血行が良くなることで食欲を増進させるともいわれている。このような効能を、熱帯で暮らす人々は冷房のない時代から、生きる「智慧」として、生活に取り入れてきた。身体も気持ちもうだるような、暑く湿気の多い気候の中、パワフルでいる秘訣は、この国の人々が握っているように思う。

急発展を遂げる中、伝統として大切にされているものがある。たとえば、タイ古式マッサージは、2500年前に起源をもち、肉体だけでなく心までも浄化させる。また、ハーブを使った伝統医療は、人々の暮らしに寄り添ってきた。蒸したハーブを使うハーバルボールは、400年の歴史をもつ。ピーが宿る自然の草花の力を少し借りて、自己治癒力を高める。それは、この地球で暮らす一存在として正しい在り方かもしれない。

人間ではどうしようもできない激しいスコール、照りつける強い日差し。自然の有り様をダイレクトに感じるタイには、こんな古き言葉がある。
「ナイ・ナーム・ミー・プラー、ナイ・ナー・ミー・カオ」

水には魚がある、田んぼには米がある。こんなに豊かじゃないか。どうにかなるさ)
大都会と自然が残る土地。どちらであっても、たくましく楽観的に生きるタイの人々の姿を、この言葉が物語っている。

(グラスルーツ 編集部)

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