北欧フィンランド。サンタクロース村があり、ムーミンが誕生した地。
一方で、アアルトをはじめとする洗練された北欧デザインを輩出している地でもある。
ただ、すべてに共通して感じることがある。
それは、自然と共に息づいている国だということ。

眩しいほどの冬の太陽に呼ばれ、カーテンを開ける。窓の向こうにぶら下がった温度計が指すのは、マイナス35度。それでも、だれも閉じこもってはいない。彼らの気持ちは、ただひとつ。「さぁ、自然の中へ飛び込もう」。
国土の約68%が森に覆われ、約10%が湖沼の国・フィンランド。18万を超える湖は、まるで鏡のように周囲の森の緑や深い青空を忠実に映す。まさに、“森と湖の国”。「環境的に最も住みやすい国ランキング」(『Reader’sDigest』2007年調査「LivingGreen:Ranking the best countries」)において、フィンランドは国別部門で1位に輝いた。評価の対象は、空気や水の質の高さ、小児疾患や自然災害への対策という点。ただ自然があるから、という理由ではない。フィンランドの人々がそこにある自然と共存しているから、という理由なのだろう。“グリーン先進国”と言われる由縁もそこにある。そして、それを皆で分かち合う精神が根付いている。それが、「自然享受権」。私有地でも国有地でも、ルールを守るのであれば、自由にその地に入って楽しむ権利をだれもが持っているというのだ。”自然はみんなのもの”。古くからあるこの慣習は、人々の心に大切な自然と共に暮らしていく意識を高めている。
その精神は、人々が生み出すデザインにも見て取れる。たとえば、巨匠デザイナーであるアルヴァ・アアルトの作品や、マリメッコのテキスタイルには、自然界からインスピレーションを与えられたと思われる作品が数多くある。花や植物のモチーフ、湖の象り…。それは、自然界が見せる優しさと優美さと神秘さを取り込んだもの。自然と共に息づく日常を、創造している。
フィンランド北部に位置するラップランド州。オーロラやカーモス(冬の間一日中太陽が昇らない状態のこと)が見られるこの地では、マイナス気温の中、人々はこの地の魅力を最大限に引き出しアクティブに楽しむ。澄んだ空気を肺に入れ、薪で火を焚き、犬ぞりで駆け巡り、地域で採れたベリーやサーモンを食し、サウナで身を清める。夜になれば、美しい魔力を宿したオーロラが宙を舞い、心までも包み込まれる。
こんな言い伝えがある。一度この地を訪れた旅人は、ラップランドの魔法にかかり、また再び舞い戻ってくるという。それが、「ラピンタイカ」(=ラップランド・マジック)。いつの日か、神秘の魔法・ラピンタイカに、かかってみようか。

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ALAMAAILMAN VASARAT
「フーロ・コルッコ〜消えた冒険家」
(2415円/p-vine)
10年のキャリアを誇る、フィンランドの音楽集団、アラマーイルマン・ヴァサラット。ひとことで彼らの音楽を表現すると、摩訶不思議。北欧トラッド、ジプシー、ポルカ、メタル…。ジャンルの枠を吹き飛ばす軽さと、どこかフィンランドらしいブラックユーモアが漂う。ライブで彼らが訪れるヨーロッパ各地では、絶賛の嵐だとか。

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「ヘイフラワーとキルトシュー」
(3990円/発売・販売 : アット エンタテインメント)
7歳のヘイフラワーの悩みはとても深刻。ジャガイモ研究ばかりのパパ、家事が全然ダメなママ、そして世界一ワガママな妹キルトシュー…。こんな家族を残して、小学校に行けるの? 風変わりだけどとても温かい人々とのとびきりキュートでカラフルな物語。小さな姉妹のヘアスタイル、ファッション、インテリア。すべてが北欧っぽくて完璧。

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「ククーシュカ ラップランドの妖精」
(3990円/発売・販売 : 株式会社デイライト)
ラップランドで、ロシアとフィンランドが戦っていた頃。先住民族サーミ人の女性の家に、敵同士の兵士2人がひょんなことから転がり込んで始まった、不思議な暮らし。お互いの言葉も理解できない3人。でも人間同士の接し合いを通して、彼らの間に尊敬と愛が芽生えていく。ラップランドの尊厳な景色の中での、本物の人間愛の物語。

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「島暮らしの記録」トーベ・ヤンソン=著、
冨原眞弓=訳、トゥーリッキ・ピエティラ=画
(1995円/筑摩書房)
ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンは、島暮らしの達人。通算80年にも及ぶ島暮らしのプロが描く、孤島での日常を綴った一冊。作者と実母、そして親友と猫との、四方に水平線しか見えない離れ小島での暮らしは、シンプルでありながら気ままな自然との豊かな日々。ムーミンの生みの親が、その胸にその人生に刻んだ光景を、一緒に体感させてくれる。

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「Majamoo」
白樺ポットスタンド
(左・(L)4410円、右・(S)3465円/スパイラルマーケット)
ヤニ・マルティカイネン作。アルヴァ・アアルト生誕100周年を記念して行われたコンペの入賞作品。アアルトを彷彿とさせる曲線美は、フィンランドの湖をも思わせる。白樺の優しい風合いと、シンプルな洗練されたデザインは北欧デザインならでは。鍋の出番の多い冬の季節、鍋敷きとしてリビングテーブルに招きたい。
スパイラルマーケット 03-3498-5792

(グラスルーツ編集部)
(グラスルーツ 編集部)

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