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スケールの大きい、雄大な大自然と共に生きるオーストラリア。
ユーカリの故郷であり、その葉を食べるコアラが生息する国。
パーマカルチャー(持続可能な農業を基本とする循環型社会)発祥の国。
オーガニックへの意識が高いこの国を見ならって、健やかな日々を。

街でも空が広く開放的な雰囲気

街でも空が広く開放的な雰囲気
photo:yuki fukui

日本の約20倍の国土を誇るオーストラリア。シドニーやメルボルンなどの都市部は拡大しているとはいえ、少し車を走らせれば大自然が広がる。豊かな自然と隣合わせで生きている国だ。
1770年、キャプテン・クック(ジェームズ・クック/英)が上陸。このときすでに、4〜6万年前から暮らしてきた先住民・アボリジニの人々がいた。彼らがオーストラリアに移住するまで、この地には巨大なカンガルーや今の2倍の大きさのウォンバットなどの巨大有袋類が存在していたという。世界各地に残されている壁画から、当時の人々と自然との距離感を計り知ることができるように、アボリジニの人々も巨大カンガルーの足跡や動物の姿を岩に刻んでいる。

カンガルーが描かれたアボリジニアート

カンガルーが描かれたアボリジニアート

有史以前の洞窟壁画、たとえばショーヴェやラスコーの壁画に共通していることは、動物の絵が大多数を占めていることだ。そこに込められた真の意味を確定することは難しいが、狩猟生活における動物は、神聖な存在であり、畏敬の念を抱く対象であった。だから、描いた。アボリジニの人々も同じだろう。彼らにとって貴重なタンパク源であったカンガルーを、食べ尽くして絶滅させることはせず、尊い存在として共に生きてきた。アボリジニの人々の歴史や教え、掟などは、「ドリーミング」という話で代々語り継がれている。その中に、狩りをしてはならない場所という掟がある。そこは、地域の動物の繁殖に必要な場所。生きるために必要な狩りは行うが、動物は崇拝の対象なのだ。だから、必要以上の狩りをすることはなく、結果、在来種と共存してきた。
アボリジニは、農耕を始めなかった民族だ。その理由として、この土地の厳しく激しい気候の変化がある。「日照りと洪水の土地」と形容されたこの土地で、機械や農薬を使用せずに定住した地を耕すことよりは、気候に適したものを採る狩猟スタイルを選んだのだろう。今、オーストラリアではたくさんの農作物が作られている。そして、オーガニック野菜の割合も非常に高い。農業に最適な土地条件でないことを乗り越え、自然に背くことなくナチュラルな方法へと辿り着くには、数々の困難があっただろう。それでも、私たちをリードするオーガニック先進国として、幾つかの指針を示している。
その一つが、オーガニック認定だ。オーストラリアには食品に非常に厳しい規定があるが、コスメに関しては化学薬品を使用していても「オーガニックコスメ」と表示している場合があるのが現状。そのため、2001年に『ACO』(AUSTRALIANCERTIFIED ORGANIC)と呼ばれるオーガニック認定機関を発足させた。ここでは、成分の95%以上がオーガニック認定成分であること、化学薬品の使用を一切認めないこと、成分抽出の際にも有害な溶剤を使用していないこと…などの基準が設けられている。誤って口に入れてしまっても安全なレベル。世界でも高い水準の認定であり、実際オーストラリアの店頭では、『ACO』ラベルをまとったアイテムが多く並び、“本当の安全”が保証されている。
安全が約束されると、人は安心と穏やかさを見出せるもの。大地そのものが生み出す産物からエネルギーを得て、今日も健やかで美しい日を過ごしていることだろう。

引用文献 : 『宇宙のマニュアル』グレッグ・ブレイデン 著/菅靖彦 訳(ソフトバンククリエイティブ)

文:沢田 美希(ASOBOT)

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MUSIC

Tame Impala「Lonerism」

(国内盤2,300円/PACHINKO RECORDS)

Tame Impala「Lonerism」

美しい街で有名なパース出身のサイケデリック・ロックバンドの2ndアルバム。60’s後半のサイケ特有の浮遊感とメランコリックな遺伝子は受け継ぎつつ、ユニークなメロディやノイズ感は現代っぽい。シティとカントリー、両方の雰囲気が漂うあたりも新しい。フジロック’13来日を記念して、2010年にリリースされた1stアルバム「Innerspeaker」国内盤のリリースも決定。

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CINEMA

「ドリフト」

監督・脚本:モーガン・オニール/共同監督:ベン・ノット/
出演:マイルズ・ポラード、ゼイヴィア・サミュエルほか
(全国順次ロードショー)

「ドリフト」

1970年代のオーストラリア。サーフィン文化がビジネスになる起源に携わったある兄弟を軸に描いた映画。兄弟の町へ、世界中を漂流(ドリフト)して暮らすヒッピーのカメラマンと、ハワイアンのサーファーガールがやって来たことで、本当の夢を追い求めようと目覚める兄。彼らが示す流れる家族の絆と友人との愛は、ナチュラルな自分でいることの大切さを、絶景の波を背景に教えてくれる。

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BOOK

『異境』デイヴィッド・マルーフ

(2,520円/現代企画室)

『異境』デイヴィッド・マルーフ

「オーストラリア現代文学傑作選」シリーズの第一弾。19世紀半ばのクイーンズランド。辺鄙な村に突然現れた、白人の男ジェミー。アボリジニに育てられたジェミーは、言葉を失い奇癖をもっていたが、村の人々は彼を受け入れるものの、彼の存在をきっかけに村に亀裂が入り始めていく…。ジェミーを引き取る家族、牧師、若い教師など、複数の視点から描かれており、作者の鋭い心理観察眼に引き込まれる。

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ITEM

メイド オブ オーガニクス

(左から50g 2,940円、70mL 1,575円/(株)たかくら新産業)

メイド オブ オーガニクス
「MG サンプロテクトクリーム」SPF30 PA+++/「DE ロールオン」ペパーミント

オーガニック成分配合率をすべてのパッケージに表記し、安心安全を目に見える形で提示し続ける、オーガニックのパイオニアによるブランド。ノンケミカルな日焼け止めに、虫が嫌う精油を配合した「サンプロテクトクリーム」は、この季節に欠かせない。また、経皮吸収率の高いワキには、ACO認定を取得しているデオドラント「ロールオン」を。食品グレード処方で、妊娠中や授乳中の方も安心して使えるため、ギフトにも最適。

(問)(株)たかくら新産業
電話 03-5466-3920

http://www.madeoforganics.com

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ITEM

OneTeaspoon.

(上13,650円、下11,550円 ※女性モデル着用/
ジャック・オブ・オール・トレーズ)

OneTeaspoon.
「フリンジトップス」WHITE、「デニムショーツ」MAGNUM

ニコール・リッチーらセレブからも熱い支持を集めるブランド。クリエイティビティ溢れるジェイミー・ブレイキーにより、2000年に誕生。エッジの効いたデザインの中に、色気のある野生味が漂う。大都会では生まれないであろう独特の雰囲気は、海や野外フェスなどの自然とマッチ。特にファンの多いデニムショーツのきわどいカッティングは、健康的な美を演出してくれる。

(問)ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム
電話 03-3401-5001

http://jackofalltrades.jp

(グラスルーツ 編集部)

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