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暮らしの中に未来の種をまく
[知るという種をまく]ー気づく、考えることで未来を変える

人も動物も満たされて生きるウェルフェアフードの時代へ

2012年のロンドン五輪以来、 選手村などの施設で使用される食材調達を規定した「フード・ビジョン」の要件のひとつとして明記されている「アニマルウェルフェア」。 2020年の東京オリンピックに向けて国内でも先進的な取り組みを行う農場をケーススタディとして、 アニマルウェルフェアについての知識を深めてみたい。

アニマルウェルフェアとは?
牛や豚、鶏などの家畜を閉じ込め、自由を奪って強制給餌する工場的畜産に対し、家畜が最終的な死を迎えるまでの飼育過程がストレスフリーで、行動欲求が満たされた健康的な生活ができる飼育活動のこと。

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地球の未来を育む放牧酪農 北海道十勝しんむら牧場

十勝平野の北に広がる丘陵地帯に位置する北海道上士幌町。 市街地から車で10分程度走ると十勝しんむら牧場へ到着。 乳牛155頭(経産牛95頭)が放牧された山林・草地を含む95ヘクタールの広大な土地と、 牧場の一角に併設されたカフェや直売所を経営するのは、 四代目の新村浩隆さん。

この地に浩隆さんの曾祖父が入植したのは1933年のこと。 以来、 国の基幹産業である農業に意欲を持って取り組んでもらいたいという遺志を代々継いで、 浩隆さんは21世紀の酪農経営に取り組み始めている。

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生きた牛づくりは、 いい土壌づくりから

十勝しんむら牧場では、 約80ヘクタールすべての畑のサンプルをアメリカの専門機関に送り、 土壌を分析。 その結果に基づいた施肥設計によって、 土の中のカルシウム、 マグネシウム、 窒素、 微量要素などのバランスを整えている。

「土が本来の力を回復してくると、 微生物や昆虫が増えて生態系が整い、 牛糞の分解も活発になります。 分解された栄養素を草が効率よく吸収し、 健康でおいしい草が育つと、 牛が喜んで草を食べるようになるのです。

 

そうすると飼料の輸入穀物を減らすことができるし、 ひいては飼料の輸送に要する化石燃料などのエネルギー削減にもつながる。 生態系のサイクルを大切にした放牧酪農は、地球規模の環境保全にも寄与できる農法なのです」と新村さん。

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また、牛が食べる量と草が成長するスピードに配慮して放牧地を区分けし、 順次、牛を移動させていく「集約放牧」も実践している。 これにより放牧シーズンを通して草の量と品質を全体で均一に保つことができるので、 牛が好んで栄養価の高い草を多く食べるようになるという。

いい草をたっぷり食べている牛から搾った生乳は、 余計な雑味脂肪が邪魔をせず、 さらっとした飲み口で後味すっきり。 牛乳本来の風味を損なわないよう65.3℃、30分の低温殺菌処理をしているのも特徴のひとつだ。

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新村さんは酪農家であると同時に、 自社で製造した牛乳や加工品などの食品の販売も行っている。 買いたくなる牛乳を生産する牧場でなければならないという発想を自らが語り、 今後もアニマルウェルフェアを広める活動に余念がない。

しんむら牧場   http://milkjam.net

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%e7%89%a7%e5%a0%b42オーガニック豆辞典
フード・ビジョン

廃棄物の削減など持続可能な運営を目指しているオリンピック・パラリンピック。2012年のロンドン大会、 及び先日開催されたリオの大会では、 会場や選手村で提供される食に関する方針を「フード・ビジョン」として定め、 食の側面から「持続可能性」を実現した。

2020年の東京大会でも、可能な限りオーガニックや国産の原材料を使用するなど、 社会・環境に配慮した食の調達が求められている。

 
(グラスルーツ 編集部)

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