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月は、日々その姿を変えて現われる、とても神秘的な天体です。新月から満月を経て、再び新月となる1サイクルは、約29.5日。月の満ち欠けは、太古より全世界に共通する自然のリズム。古代の人々は、かつて月の運行を観察して時間を計り、暦を作り、農業や漁などに役立てていました。昔から、月は人と密接なかかわりを持っていたのです。
かつて日本人も、月とともにある暮らしをいとなんでいました。だから月のリズムは、私たちにとって本来馴染み深いもの。月のリズムで生きることは、肩の力を抜いて自然体で過ごす喜びを与えてくれます。
文・景山えりか(文筆家、アストロ・コミュニケーター)

月とともに生きるルーツは
あなたの身体に流れている

今から140年前、明治5年12月3日を明治6(1873)年1月1日として、「太陽暦(新暦)」が導入された。それ以前に日本で使われていたのは、月の満ち欠けを基準とする「太陰太陽暦(旧暦)」。6世紀頃に中国から日本へ伝わり、1000年以上にわたって使われ続けていた。祭祀や行事、農作業や政治も、月の動きによって決められた暦に基づいていたのだ。ひと月は必ず新月の日から始まり、15日頃に満月が訪れる。綿々と流れる時間に月の動きが区切りをつけ、人々は生活にメリハリをつけていた。しかし、太陽暦が採用されたことによって、日常から月は切り離されてしまう。
近年、旧暦カレンダーが人気を呼び、月の満ち欠けに合わせたライフスタイルに注目が集まっている。私たちは太陽暦で生活しながらも無意識的に、月のリズムを求めてしまうのかもしれない。なぜなら、私たちの先祖を何世代か遡れば確実に月のリズムで生きていたわけで、月とともに暮らしていた先祖から受け継がれた血が、今も脈打っているのだから。月のリズムで生きること。それは、自分のルーツに通じると同時に、もっとも心地良いと感じる暮らしへの道しるべとなってくれるはずだ。

生活にリズムを取り入れて
自分らしさに目覚める

海水を引っぱって水位を変化させ、広大な海の景色を短時間で変えてしまうばかりか、どうしたって動きそうにない陸地をも引き上げてしまう月。それほど大きな力を操るのだから、地球上にいる私たちも何らかの影響を受けているはず……しかし、月が人間の心身に与える影響について、科学的に実証されてはいない。にもかかわらず、昔から世界各地に月にまつわる生活術や文化が数多く存在するのは、理屈抜きに“月の効果”を実感した人がたくさんいたからだろう。
古今東西の月に関する伝承やイメージには、ある共通点がある。それは、月のリズムは「新月」「満ちていく月」「満月」「欠けていく月」の4つに分けられ、それぞれに違った意味合いや傾向があるということ。おおざっぱに表現すると、新月以降は「摂取」のときで、満月からは「排出」のタイミング。これに合わせて、スキンケアやダイエット、ヨガなど、様々なメソッドが提案されているが、それらは月のリズムのひとつの在り方として楽しみたい。
月のリズムで生きるとは、一般的にいわれていることに自分を合わせることとは違う。本来、月のリズムは天体の動きがもたらす自然の現象。それを生活のリズムとして取り入れることで、自然との一体感や、自然体でいる喜びを味わい、自分らしさに目覚めていく。これこそ月のリズムで生きる醍醐味だ。

 
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(グラスルーツ 編集部)

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