サロン発信で、心の豊かさが循環する社会に。
——グリーンな活動とは、まず“心”から始まっていかないといけないわけですね。ただ、みんなそうは思っていても、日常生活を送っているとグリーンに反する行動もいっぱい出てきます。
そうなんです。経済活動とグリーンは反比例する、これは動かしようのない事実です。経済活動には当然、効率性が求められます。そして効率を求めれば求めるほど環境に負荷がかかります。経済効率を求めながら、いかに環境との調和を図っていくのか、これは人類が抱える永遠の課題でしょう。サロンワークも同じです。特に今は厳しい時代だし、サロンも売り上げを上げなくちゃいけない。今さら非効率にすると仕事が成り立たなくなってしまう面もあります。効率と非効率をどのようにうまくコントロールするかですね。もちろん、できる限りの節約はすべきです。ただ、その節約がただ単に店のコスト削減のためだけではなく、自分たちがグリーンな活動に参加しているのだ、という意識を持って行動してもらいたいと思います。
——節約以外で、サロンワークの中でできるグリーンな活動はありますか?
僕が考えるに、実は、サロンは昔から無意識のうちにグリーンな活動を行っているんですよ。お客さまはよく、サロンに来て安らいだ、癒されたと言うでしょう?それはサロンの空間やスタッフのサービスによって、日常のストレスが軽減されたからです。これは環境で言えば、CO2を削減して酸素をつくっているようなもの。サロンビジネスは、お客さまの心に酸素を供給する「癒しのビジネス」なのだと思います。節約するのは基本的なこと。誰にでもできる当たり前のこと。グリーン=節約ではなくて、他にも方法はある。お客さまと接する中で心の豊かさを伝えていく、これだって立派なグリーン活動ですよね。
——なるほど。そういう活動を続けることによって、心の豊かさが循環していく社会になっていくわけですね。
そう、広い意味でのグリーン活動なのです。ヘアカラーやパーマで使用する薬剤で“100%環境にいいもの”なんてないと思います。でも、だからといってお客さまにカラーをすすめるのをやめますか?そんなふうに排除していったら、それこそお客さまにとってヘアカラーをすることで得られる心の豊かさも無くなってしまうし、美容師という自分たち自身の存在すら否定することになる。そうではなく、「こっちでCO2を吐き出しているけれど、こっちで酸素を生産している」というように、マイナスとプラスを合わせたらゼロになるように、自分の一生を通してきちんとバランスをとる、つまり人生を通じてオフセットすればいい、僕はそんなふうに考えています。今、僕はオンタイムでは、仕事の効率ばかりを考えた経済生活を送っていますが、オフタイムになると経済活動や効率化はどうでもよくなって、酸素をつくるために木を植えたり、除草剤を使わずに雑草と闘ったり、およそ非効率なことばかりをやっていますよ(笑)。非効率は手間がかかるけど、手間をかけることが贅沢な時代、不便さが贅沢な今の時代に、そんなグリーンライフを楽しんでいきたいと思っています。
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